「砂糖断ち」の上手なやり方|ゆっくり始めよう!効果や注意点を専門家が解説

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食品ラベルで気をつけたい表記や、3日間のおすすめメニューもチェックしてみよう。

By Korin Miller and Ai Ono公開日:2025/08/092025/08/10

食生活をよりよいものにしようと考えたとき、砂糖を断つことは、おそらく最初に思いつく試みのひとつだろう。近年、砂糖は2型糖尿病や心臓病、肥満など、多くの健康問題に関係しているとされており、砂糖を制限する人は増えているそう。

減量の大敵というイメージがあるだけでなく、健康を害する可能性があることを踏まえると、砂糖断ちを検討するのは理にかなっている。ここでは、改めて砂糖断ちとは何か、どんなものなら食べることができるのか、そのメリットとデメリットも合わせて、専門家が解説する。

砂糖断ちとは?

そもそも、砂糖断ちとは何?「基本的には、添加糖や代替甘味料を含むすべての食品や、天然糖が多く含まれる食品を断つ食事法のことを指します」と述べるのは、食品・栄養の専門家団体「Academy of Nutrition and Dietetics」の広報担当で、登録栄養士のソニア・アンジェローンさん。「ストイックに実施する場合は、果物や牛乳、プレーンヨーグルトのような自然由来の糖分を含む食品も控えます」と彼女は続ける。

あらゆる砂糖を断つ場合、食事の選択肢はかなり制限される。「厳密にいうと、糖なしの食事に含まれるのは、純粋なタンパク質と脂質のみとなります」とコーエンさん。

この食事法に期限は決められていないが、砂糖を含むすべての食品を避けることは、長く続けられるものではないそう。ガンズさんも、「砂糖断ち」というと多くの人は「砂糖無添加の食事」を想像してしまう、と説明している。

「砂糖断ちを行うときは、いきなりすべての糖分を排除するのではなく、まずは味覚が甘いと感じるものを控えることに慣れていきましょう」と、アンジェローンさんも助言。

「つまり、デザートやお菓子など、明らかに砂糖が入っている食品を避けることです」と彼女は述べ、「コーヒーや紅茶に入れる砂糖の量を減らし、甘い飲み物も控えます。甘いものを食べないようにするには、代替甘味料を避けるのがおすすめです」と続ける。そこから、徐々に添加糖の摂取を減らしていくと良いそう。

アンジェローンさんが推奨するルールは以下の通り:

おすすめの砂糖断ちのやり方

・砂糖を加えた食品を避けること

・水や炭酸水、無糖のコーヒーや紅茶など、無糖飲料だけを飲むこと

・新鮮な野菜など、加工されていない自然食品を選ぶこと

砂糖断ちのメリットとは?

砂糖断ちには、期待できるメリットがたくさんがある。

①減量、ダイエット

コーエンさんは、甘いものはカロリーが高くなりがちだと指摘。砂糖をやめることで、以前よりも摂取カロリーを減らすことができれば、減量につながる可能性も高まる。

②心臓病リスクの軽減

「砂糖の過剰摂取は、血中のトリグリセライド(中性脂肪)のレベルを上げます」と、コーエンさんは説明する。これにより、脳卒中や心臓病のリスクも高めることに。

③2型糖尿病の発症を抑える

「さらに減量にもつながります」とコーエンさん。

また、コレステロールのレベルや血圧が下がり、腹部の膨満感が軽減される可能性もある、とアンジェローンさんは補足する。これらは、砂糖が体内で引き起こしうる炎症と関連すると指摘されている。

砂糖の1日の推奨摂取量は?

アメリカ人のための食生活指針」では、砂糖の摂取量を一日の総摂取カロリーの10%以下に抑えることを推奨している。つまり、一日2000キロカロリーを摂取した場合の砂糖の推奨量は、およそ小さじ12杯分。しかし、疾病予防管理センター(CDC)によると、成人の一日の平均砂糖摂取量は小さじ17杯ほどだという。

「砂糖の平均摂取量と、推奨されている量との間には、大きな差があります」と話すのは、栄養に関するサービスを提供する「Culina Health」の共同設立者で登録栄養士のヴァネッサ・リセットさん。

砂糖はどんな食品に含まれているの?

CDCによると、主に砂糖を多く含むのは、甘味飲料やクッキー、ブラウニー、ケーキ、パイ、アイスクリームのようなデザートやお菓子など。しかし、ラトガース保健専門職大学院の臨床および予防栄養学科で准教授を務めるデボラ・コーエンさんによると、日常的に摂取している食品からも、知らず知らずのうちに砂糖をとっている可能性があるという。

ケチャップや缶詰のスープ、ファストフード、朝食用のシリアル、パン、ピーナッツバター、ランチョンミートなど、甘みを感じないものも含めて、実は砂糖と同等の『高フルクトース・コーンシロップ』が含まれている食品はたくさんあります」とコーエンさんは述べている。

そして、砂糖は健康に良いとはいえない。「砂糖の過剰摂取は体内で炎症を引き起こし、関節痛特定のガンなど、さまざまな症状につながる可能性があります」と説明するのは、『The Small Change Diet』の著者で登録栄養士のケリ・ガンズさん。

砂糖断ちで食べてもOKな食材は?

確かに砂糖は多くの食品に含まれているが、砂糖断ちをしていても食べられるものはたくさんある。「主に加工されていない食品や、砂糖を加えていない食品はOKです」と、ガンズさん。

リセットさんによると、食べてもOKな食材リストは以下のとおり:

糖質

  • 玄米

  • キヌア

  • さつまいも

  • バターナッツかぼちゃ

タンパク質

  • 鶏肉

  • 牛肉

  • 豆腐

  • 豆類

脂質

  • アボカド

  • ナッツ類

  • シード類

  • オリーブオイル

そのほか嗜好品

  • 炭酸水

  • コーヒー(無糖)

  • 紅茶(無糖)

  • ヨーグルト(無糖)

【おすすめ献立】砂糖断ちの食事メニュー3日分

砂糖をとらない食事がなかなかイメージできないという人は、次の3日間の食事内容を参考にしてみて:

1日目のメニュー

  • 朝食:全粒粉のパンに目玉焼き2個をのせ、ほうれん草とトマトを添える

  • 昼食:ミックスグリーンサラダにグリルドサーモン、ひよこ豆2分の1カップ、フェタチーズをのせ、オリーブオイルとビネガーのドレッシングをかける

  • 間食:枝豆に塩をふる

  • 夕食:えび約10~12尾とほうれん草、アスパラガス、ニンニクを和えたパスタ

2日目のメニュー案

  • 朝食:低脂肪乳または無糖の植物性ミルクをかけたオートミールに、新鮮なベリー2分の1カップ、無糖のピーナッツバター大さじ1をトッピング

  • 昼食:ほうれん草、トマト、玉ねぎのオムレツに、薄くバターを塗った100%全粒粉のトースト2枚

  • 間食:ナッツ20粒程度

  • 夕食:野菜と豆腐炒め、玄米1杯分

3日目のメニュー案

  • 朝食:低脂肪ギリシャヨーグルト約250gにスライスアーモンド、ヘンプシード、小さめのバナナ1本をのせる

  • 昼食:天然酵母パンにグリルチキン約120g、スライスアボカド、トマトをのせ、オリーブオイルをかける

  • 間食:さけるチーズと、小さめの洋梨またはりんご

  • 夕食:牛フィレ肉のステーキ約120gに、芽キャベツとさつまいものローストを添える

食品ラベルで確認すべきなのは?

コーエンさんは、食品ラベルを確認する際には、砂糖だけでなく、以下の表記にも注意すべきだという:

  • アガベ

  • はちみつ

  • ブドウ糖

  • 濃縮果汁

  • ローシュガー

  • デキストリン

  • デキストロース

  • コーンシロップ

  • 固形コーンシロップ

  • 高フルクトース・コーンシロップ

  • コーンスウィートナー

  • タービナドシュガー

  • モラセス

砂糖断ちの注意事項

アンジェローンさんによると、砂糖断ちは「過剰な制限」になることもあり、柔軟さに欠けてしまう懸念もあるという。好きなものを食べられない厳しいルールを作ることで、乱れた食生活や摂食障害に陥ることも。それよりも、必要な栄養をとりながら、カロリーを摂取しすぎないように気をつけること、そして砂糖を含む食品と上手に付き合っていく方法を学ぶことを目標にすべき、とのこと。あくまで、健康を維持するために重要な栄養素(ビタミン、ミネラル、食物繊維など)はしっかり摂るようにしよう。

リセットさんもこれに同意し、完全に砂糖を排除した食生活は「継続していくのが難しい」と指摘している。砂糖の摂取量を減らすことができればそれがベストであり、完全に断つ必要はないということを覚えておこう。

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。